2010年9月号
院長より

 
 昨年は真夏日が少ない比較的過ごしやすい夏と言われておりましたが、今年は10月まで暑い日が
続く年となるそうで、熱中症で救急搬送される方も多くなりそうです。汗をかいたら水分補給や塩分補給
を忘れないでください。

 日本学術会議会長、金澤氏が、「ホメオパシーを「科学の無視」「荒唐無稽」と指摘し、「ホメオパシー
に頼ることによって、確実で有効な治療を受ける機会を逸する可能性があることが大きな問題であり、
時には命にかかわる事態も起こりかねない」「ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されて
おり、それを『治療効果がある』として治療に使用することは厳に慎むべき行為」である」との会長談話
を公表し、日本医師会会長・日本医学会会長もこれに賛成するとの見解を出しました。長妻大臣もこれ
を含めたいわゆるホリスティック医療を検証するとの発言をしており、本当に効果のある治療なのかが
科学的に検証され、怪しげな民間療法が淘汰される良い機会になりそうです。

 さて現在、市議会を思うがままにコントロールし、独裁体制を作ろうとしている市長が呼びかけている
署名運動の真っ最中です。予算を削減しないで、減税をすれば収入が足りなくなるので、未来の子供
たちの借金となる市債を発行することになります。それを続ければ将来その借金を返すために増税を
することになり、結局皆が苦しむことになります。自分の思いつきを実現するために子孫に借金を
負わせていいのでしょうか。予算を削減するにも無駄の排除だけではたいして削減できないのは国の
事業仕分けで明らかです。事業を減らせば市民サービスの質や量が低下します。サービスを維持しな
がら借金を減らす方法を市議会に提示し、話し合っていくことこそ大事なことではないでしょうか。
名古屋市の将来をよくお考えください。
 

ひきこもりについて@ 〜ご家族へ〜

 
 平成22年7月に内閣府によるひきこもりに関する実態調査から、「ひきこもり」とされる人は70 万人。
潜在的な「ひきこもり」の人は155万人との推計結果が発表されました。
就職できずにそのままひきこもりになってしまう人、職場での人間関係から仕事に行けなくなって
しまう人、精神障害によるものなど、きっかけは様々なものが考えられます。
 また、「ひきこもり」とされている人のうち、働かず、学校にも行けないが、趣味ならば外出できるという
状態の人達においては、46万人との推計がなされており、人との関わりは難しくても、外出することは
可能という人も増えているようです。

 怠けているのではないかと思われがちですが、本人にとっては、ひきこもらざる得ない程の傷つきを
体験されているのではないかと思います。そのため、人と接触することへの不安や恐れを強く感じて
しまい、本人が外部の人に相談することもなかなか難しく、ご家族だけで抱え込んでしまっている場合も
多いのではないでしょうか。

 また、近年ではひきこもりが長期化し、ご家族の方々の高齢化が問題視されています。
こうした問題の中で、とても大切なことは、ご家族が希望を失わず、少しの変化を喜んだり、自分たち
の好きなことを楽しめたりすること、悪者探しをしないことだと思います。ご家族が安定されると、
お子さんにも少なからず、良い影響が出てくることが考えられます。

 ひきこもられているご本人が来院されることはとても難しいことかもしれませんが、ご家族の方で
気持ちが落ち込んでしまったり、眠れなくなってしまったり、絶望的な気持ちを抱えられている方が
いらしたら当院でも何かお役に立てるかもしれません。一度ご相談下さい。

 また、名古屋市でも積極的にひきこもりの方への支援がなされています。精神保健福祉センターや
保健所、ひきこもりの子どもを抱える親の会、ひきこもりを経験した方の就職支援など、積極的に
外部のサポート機関を頼ってみることもひとつの方法だと思います。
 

熱中症

 
 今年はお盆を過ぎたのにもかかわらず、連日猛暑日が続いていますね。
 みなさん、熱中症の対策はしていますでしょうか?総務省消防庁のまとめによると、熱中症で病院に
運ばれた人が今年の統計を始めた5月31日以降4万1020人となり、都道府県別の統計では東京
が最多で3154人、次いで2番目が愛知で、3153人だそうです。

 熱中症は気温が体温より高くなると、空気中への熱の放出が難しくなり、体温がどんどんと上昇
していきます。また、湿度も75%以上になると、発汗による体温調節もできにくくなってしまいます。
 愛知県に熱中症患者が多いのは、湿度の多い気候も関係しているのかもしれません。 

 熱中症には、熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病の4種類あります。  

【熱失神とは】

 脳への血流が瞬間的に不十分になり、めまい、失神などがみられます。顔面そう白、呼吸回数の
増加、唇のしびれなどもみられます。

【熱けいれんとは】

 筋肉の「こむら返り」のことで、大量に汗をかき、水だけを補給して血液の塩分濃度が低下した時
に、足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんがおこります。

【熱疲労とは】

 大量の汗をかき、水分の補給が追いつかないと脱水がおこり、熱疲労の原因となります。脱水による
症状で、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがみられます。

【熱射病とは】

 体温の上昇のため中枢機能に異常をきたした状態です。意識障害が特徴で、頭痛、吐き気、めまい
などの症状やショック状態などもみられます。また、全身臓器の血管がつまって、脳、心、肺、肝、腎
などの全身の臓器障害を合併することが多く、死亡率も高くなります。

 これらの症状は、熱失神→熱けいれん→熱疲労→熱射病の順に重度になっていき、熱射病は最も
危険な状態です。

【熱中症を疑ったら】

 熱失神などの症状があれば、涼しい場所に運び、体を冷やし、水分を取ることが必要です。
改善しない場合や悪化する場合、吐き気や嘔吐などで水分補給ができない場合はすぐに病院へ搬送
します。

 また、大量の発汗があった場合には、汗と一緒に塩分も失われているので、水分補給は塩や糖分を
含んだものが有効です。スポーツ飲料などが手軽ですが、塩の飴などを、水分と一緒に取ることも
効果的です。
 まだまだ暑い日が続きそうですが、水分補給をこまめに行ったり、外へ出かけるときは帽子をかぶる
などして対策を心がけてください。