2007年11月号
院長より

 
 日一日と寒さが増していますが、皆様いかがお過ごしですか。今年のインフルエンザ予防接種はもう
始まっておりますが、摂取はお済みでしょうか。予防接種をしてから抵抗力がつくのに2週間以上
かかりますので、はやり始めてから急いで接種しても間に合いません。特に不特定多数の人と接する
職業の方、次に年配の方、受験生の方などの順番で優先して接種すべきとされておりますし、接種
時期として、遅くても11月末までには一回目を接種しておく方がよろしいようですので、ご検討ください。
 
 参議院選挙での大敗の後、自身の健康状態を理由に安倍総理が辞任し、福田総理が政権を担当
することとなり、早速良い傾向が出てきました。決まっていた高齢者の負担増を半年間ほど先延ばし
するというものです。法律を作り、決まったはずのことをこうも簡単に変えられるのかと驚きましたが、
高齢者の方々にとっては良いことですね。これは衆議院と参議院の多数派が異なるねじれ現象の産物
であり、選挙の結果といえます。自分たちの一票が日本の政治を変えたということです。近いうちにある
と言われている衆議院選挙でも一人でも多く投票をし、政治に参加してくださるようお願いいたします。
 
 今進みつつある医療崩壊の原因の一つに、医師患者間の関係悪化もあると言われています。
以前の医師はどんなに忙しくても、患者さんから感謝の気持ちを伝えられ、尊敬されていたから
がんばってこれたのに、現在は一生懸命やっても患者さんの期待が大きすぎ、結果が期待したのと
異なると罵声を浴びせられ、訴訟の恐怖に怯え、その結果、やる気が失せ、燃え尽きてしまっている
そうです。その結果は医師にも患者さんにも不幸なことです。人の体は皆異なっており、神経や血管の
走行、薬への反応の仕方、すべて個人差がありますから、結果は試してみないとわからないことが
多く、不確実なものであることを理解していただき、一緒に病と闘っていきたいと思います。
 

子どものうつ


  今回からシリーズで子どものうつ病についてお届けします。

 今、大人では6人に1人が生涯で1度はうつ病になると言われていますが、長い間子どものうつ病は
ないと考えられてきました。しかし、最近の研究では子どももうつ病になるということだけでなく、多くの
子どもがうつ病や抑うつ状態にあることがわかってきています。

【小中学生のうつ傾向】
 北海道の小中学生に行った調査で、全体の13.0%(小学生7.8%:中学生22.8%)がうつ傾向にあるという
結果がでています。この結果は諸外国の報告と比べても高い値です。男子は中学1年から、女子は
小学6年から増加し始め、女子が男子よりも急増することがわかっています。

 この13%はいわゆる「うつ病予備軍」で、このうちうつ病と診断できるのは20〜25%です。全体の2.6%
(小学生1.6%:中学生4.6%)がうつ病であると推定されています。

 ちなみにこの調査の時の大人の有病率(現時点でうつ病にかかっている人の割合)は約5%と考えら
れているので、中学生はほとんど大人と同じ割合でうつ病にかかっていると考えられます。

【発症年齢】
 子どものうつ病の発症年齢の最年少は9歳2ヶ月という報告があります。その他の研究でも10歳という
報告が多く、海外では7歳という報告もあります。現在の診断基準のもとでは10歳前後が発症の最年少
であると思われますが、うつ病と診断されなくても幼児期・児童期に抑うつ的な子ども達はまだまだ存在
するのではないでしょうか。

次回は、子どものうつ病にはどんな症状が出るのか考えたいと思います。
 

リワーク支援(職場復帰支援)

 
  初めまして。9月より当院に着任いたしました、ソーシャルワーカーです。
 先日、リワーク支援の研修に参加させていただき、大変興味深かったので、以前の便りでも取り上
げさせて頂きましたが、「Part 2」という形で、今回も『リワーク支援(職場復帰支援)』を取り上げ、別
の角度からお話ししたいと思います。

【リワーク支援(職場復帰支援)とは】
 就職後、うつ病など患い休職する労働者に対し、専門家がもともとの能力を取り戻していけるよう、
復職準備を行うとともに、事業所との連携を図り、専門的な援助・助言により、労働者の復職を
スムーズに進められるよう支援することを目的としています。

【職場復帰プログラムの必要性とは】
  ・労働環境の変化への対応
  ・健康で幸福、自分らしい社会生活を送るために
  ・心の病による休職者増加への対応
  ・生活リズムの立て直し

【職場復帰に影響する要因とは】
  ・疾患の種類と病状の回復
  ・労働能力
  ・休職前の職場での適応状態
  ・職場、家族の協力

【職場復帰支援の流れ】
〈第1ステップ〉病気休業開始及び休業中のケア
            イ 労働者からの診断書(病気休業診断書)の提出
         ロ 管理監督者、事業場内産業保険スタッフ
                                         ↓
〈第2ステップ〉主治医による職場復帰可能の判断
労働者からの職場復帰の意志表示及び職場復帰可能の診断書の提出
                                      ↓
〈第3ステップ〉職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
         イ 情報の収集と評価
     ・労働者の職場復帰に対する意志の確認
          ・産業医等による主治医からの意見収集
          ・職場環境の評価
          ・その他
        ロ 職場復帰の可否についての判断
        ハ 職場復帰支援のプラン作成
          ・職場復帰日 
        ・管理監督者による業務上の配慮
          ・人事労務管理上の対応
          ・産業医等による医学的見地からみた意見
          ・フォローアップ
          ・その他
                   ↓
〈第4ステップ〉最終的な職場復帰の決定
        イ労働者の状態の最終確認
        ロ 就業上の措置等に関する意見書の作成
        ハ 事業者による最終的な職場復帰の決定
        ニ  その他
                   ↓
                 職場復帰
                   ↓
〈第5ステップ〉職場復帰後のフォローアップ
                   ↓
        イ 症状の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無確認
        ロ 勤務状況及び業務遂行能力の評価
        ハ 職場復帰支援プランの実施状況確認
        ニ 治療状況の確認
        ホ 職場復帰支援プランの評価と見直し
                       厚生労働省(心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きより)

※上記、手引き「職場復帰支援の流れ」ですが、心の健康問題で休業していた労働者の職場復帰支援
においては、心の健康問題の特性に応じた対応が必要ですが、この手引きは、心の健康問題による
休業者で、医学的に業務に復帰するのに問題がない人を対象としたものです
 ご紹介した支援は、復職支援の1つです。個人個人に合った支援を一緒に考えていきましょう。
興味のある方は、先生・スタッフに声をかけて下さい。「本人さん主体」、「自己選択・自己決定権の
行使」を念頭に、伴走車となり、お手伝いしていきます。