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| 2002年3月号 |
| 医院長より |
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私どもの主な仕事はもちろん患者さんを診察し、治療をすることですが、それ以外にも健康教育活動、予防医学活動など いろいろな仕事を行っております。診療所以外で行っている活動については当然のことながらご存じない方がほとんどで、 小学校で行っている住民健診で顔を合わせた方がそのような活動の一部をご覧になったことがある程度だろうと思います。 さて,そのような診療所以外で行っている仕事の多くは行政と医師会が連携しながら行っている事業であるため、その交渉に 当たっている担当者には行政との打合せも仕事になってしまいます。しかし地域の皆様の健康を守るためになくてはならない 仕事であり、やりがいのある仕事でもあります。私はこのような仕事を、この4月より引き受けることにしたため、診療時間、 診療日及び休診日の変更をしなければならなくなりました。皆様方にはご迷惑をおかけすることになり、大変心苦しい のですが、ご理解いただきたく存じます。 昨年診療時間に関するアンケートを採らせていただきました。その結果午後の診療時間についてはもう少し早い時間からの 開始を希望される方が多かったので、どういう形で皆様方の期待に応えようか考えておりましたが、今回今までより1時間早く 午後の診療を開始することにしました。またご迷惑をおかけすることへのお詫びの意味を込め、30分間診療時間を延長させて いただき、午後の診療の終了時間は午後7時30分といたします。少し便利になったと感じていただければ幸いです。 前号でお知らせした診療報酬改定については、予想以上のひどい内容であり、多くの方が政府は自分たちを殺すつもりかと 怒っていらっしゃると思います。当院では前から少しでも経済的負担が少なくすむよう工夫して参りました。今後もその努力は していきますし、ご一緒に最善の方法を見つける手助けはしていきたいと思っておりますので、ご不明な点がありましたら、 遠慮なくお聞き下さい。 |
| 甲状腺 |
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前回は甲状腺の働きについてお話ししました。 今回は甲状腺の病気にはどのようなものがあるかお話ししましょう。 甲状腺ホルモンの産生、分泌が過剰になった状態を甲状腺機能亢進症といいます。 食べても食べても体重が減る、脈が早く動悸がする、手がふるえ体温は上昇し、発汗が多い、イライラして落ち着きがない、 下痢、生理不順、脱毛が多いなどの症状が出ます。 甲状腺機能亢進症の代表がバセドウ病です。バセドウ病は、甲状腺を異常に刺激する抗体が体内で作られ、どんどん 甲状腺ホルモンを作らせてしまう病気です。 では、なぜ、こうした異常が起るのでしょうか。 実は、免疫が関係しているのです。免疫は進入した外的を攻撃し、健康を維持するための大切な仕組みです。ところが、 まれに自分自身の体を攻撃目標とする抗体を作ってしまう病気があります。これを「自己免疫疾患」といいます。 バセドウ病の代表的な症状は、喉頭の下にある甲状腺が大きくなる・眼球が突出する・手の指がブルブル震える・などです。 男性より女性に多く、小児から高齢者まであらゆる年齢層にみられます。家族歴のある人は要注意、出産後に発病・増悪する こともありますので注意が必要です。 【ひとこと】 甲状腺機能亢進症の原因は、バセドウ病が最多です。しかしバセドウ病以外は 無痛性甲状腺炎、 亜急性甲状腺炎など一過性の病気がほとんどです。 甲状腺機能亢進症=バセドウ病ではありません。 バセドウ病であるのかどうか、まず最初にきちんと見極める事が重要です。 甲状腺が甲状腺ホルモンを十分分泌できなくて、いろいろな症状を引き起こす病気を甲状腺機能低下症といいます。 身体が腫れぼったくなり体重が増加、皮膚は冷たくカサつく、脈が遅い、しわがれ声になる、元気がなくいつも眠たい、無気力・ 不活発になるなどの症状が起こります。甲状腺機能低下症の中には、橋本病やクレチン症などがあります。 橋本病は、発見者の橋本策先生の名前をとったもので、慢性甲状腺炎とも言います。 橋本病も自己免疫疾患のひとつですが、バセドウ病とちがって、体内でつくられた抗体が甲状腺組織を障害して、次第に 甲状腺ホルモンの産生が障害される方向へ向かいます。 甲状腺機能が正常であれば原則的に治療は必要ありません。機能低下していれば甲状腺ホルモン剤を投与します。 最初は正常であっても徐々に低下する場合もありますので、定期的な検査が必要です。 生まれてきたときから甲状腺機能低下症だとクレチン症(先天性甲状腺機能低下症)と呼ばれます。 甲状腺そのものがないか、あるいはあっても十分な大きさがないか、別の場所にあって働かないか、甲状腺ホルモンがうまく 作られないことなどによっておこります。出生時体重は正常ですが、次第に成長・発達がおくれてきます。 顔つきは特徴があり、眼瞼が腫れぼったく、鼻は低く、いつも口を開け、大きな舌をだしています。これをクレチン顔貌と いいます。皮膚は乾燥し、あまり汗をかかず、腹部は大きくふくれています。また、手足の指が短いことが特徴的です。周囲に 興味を示さず、あまり泣かずによく眠ります。不活発でおとなしい子供です。 甲状腺ホルモンは子供が成長するのにとても必要なホルモンです。人間は3才までに大脳の大半が出来あがります。その 大切な段階で、ホルモンが足りないと障害が起こってしまうため、早期発見が必要です。 |
| 花粉症 |
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【花粉症って何?】 花粉症は、花粉が原因でおこるアレルギーの一種です。この原因物質に触れるとくしゃみや鼻水などの症状が現れます。 原因となる植物は樹木や草花などさまざまで、数十種類におよぶといわれています。花粉の飛ぶ時期は植物によって 違いますが、1年を通してさまざまな花粉が飛んでいます。たとえば、1月下旬から5月上旬にかけてはスギ、3月下旬から 5月中旬にかけてはヒノキなどが多くみられます。 【どんな症状がでるの?】 主な症状は、目のかゆみ、涙目、充血、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳、喉の渇き、皮膚のかゆみなどです。症状は、花粉が 付きやすい目や鼻の粘膜の部分でおこりますが、口から入った花粉が気管支や胃腸に達すると喉に違和感をおぼえたり、 下痢などの症状をおこすこともあります。また、症状がひどくなると全身がだるくなるなどの二次的な症状が現れることも あります。 【カゼとどう違うの?】 たとえば、カゼの鼻水はだんだん粘っこく黄色い鼻水に変わっていきますが、花粉症の場合は水のようにサラサラしたままで あることが多いです。また、カゼはほぼ1週間ほどで治りますが、花粉症は花粉の飛散期が終わるまで症状が続きます。 1年のうちで、特定の時期にくしゃみや鼻水、目のかゆみなどが現れた場合には花粉症である可能性が考えられます。 花粉症かどうか心配になられましたらドクターにご相談ください。 【日常生活の中でできること】 花粉との接触を避けるために、ふだんの生活の中で次のようなことに気をつけましょう。 ・外出をひかえる 外出するなら晴れの日よりも雨の日を。暖かい日よりも寒い日を。 特に、暖かく空気が乾燥していて風が強い日には花粉が遠くまで飛びやすいので気を付けましょう。 ・メガネやマスクする 目や鼻、口からの侵入を防ぐためにもメガネやマスクをしましょう。また、花粉が付きにくい表面がスベスベした衣服を 着るのもいいでしょう。 ・花粉を屋内に持ち込まない 家に入る時には衣服をはたいたり、ブラシをかけたりして花粉を払い落としましょう。 また、洗濯物や布団もしっかりはたいてから取り込むようにしましょう。 ・掃除をまめにする 掃除機をまめにかけたり、水ぶきをしましょう。また、空気清浄機を使うのもよいでしょう。 |
| 痴呆について1 |
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今回から3回にわたって、痴呆についてお話したいと思います。 「あの人何ていう名前だったっけ?」「あれ、何をしに台所に来たのかな?」というように、物忘れが多くなったのを、痴呆の 始まりじゃないかと気にされる方がみえますが、これは年齢と共に記憶力が落ちてきたためで、ほとんどが痴呆とは関係が ありません。記憶力は20代をピークに、65歳頃には半分くらいに落ちてくるのが正常ですし、物忘れは誰にでも起こりますので 心配することはありません。それではどういう状態を痴呆というのでしょう? 痴呆とは、「後天的な脳の障害によって、正常に発達した知能が持続的に低下した状態であり、先天性あるいは発育期に 知能障害が生じる精神発達遅滞と区別される」と定義されています。要するに、一度は正常に発達した知能が、何らかの 原因で脳が障害されて、知能が低下した状態が続くということです。 痴呆は、大きく血管性痴呆とアルツハイマー型痴呆の2つに分類されます。 【血管性痴呆】 血管性痴呆は、脳梗塞や脳出血によってある日突然起こることが多く、5分前まではしっかりしていたのに急に計算が できなくなったり、言葉が聞き取れなくなったりします。しかし、全てのことができなくなってしまうわけではなく、脳の障害が 起こった部位によって症状に差があり、例えば服をどうやって着れば良いかなど、脳の障害が起こっていない部分が司っている 行為は残ります。症状にむらがあるので「まだら痴呆」と呼ばれることもあります。運動麻痺が伴わないことが多いのも特徴 として挙げられます。 【アルツハイマー型痴呆】 アルツハイマー型痴呆は、40〜50歳以降に原因不明の神経細胞の障害によって極めて希に起こります。脳溝と呼ばれる 脳の溝が開いてきて、特に側頭葉の海馬と呼ばれる部分がだんだん萎縮していき、数年から10年くらいでどんどん進行する のが特徴です。言葉や道具が使えなくなり、人格が崩壊し、見えていてもそれが何か分からなくなり、歩けなくなり、排泄が 不自由になり、多くはやがて寝たきりになります。アルツハイマー型痴呆の場合、残念ながら今の医学では効果的な治療法が ないのが現状です。 これまで、日本人の痴呆は血管性痴呆が多いと言われてきましたが、最近の研究で生活習慣が大きく影響していると 思われる例が非常に多いことが判ってきました。 次回は、「どんな人に痴呆が起こりやすいか」、「痴呆の予防法」についてお話したいと思います。 |