2000年5月号
  院長より
 
 この4月から介護保険が正式にスタートしましたが、4月も終ろうとしているのにまだ決まっていないことがあったり、
変更されたことがあったり、認定プログラムの不備を抱えたままだったりといろいろと問題を残したままでの
見切り発車になってしまいました。制度が政治取引に利用されたため、右往左往させられた行政も、突然仕事が増え、
困惑している我々医師、いかに皆様のためになるようサービスが提供できるかを考え、実行しようとしているのに
決まっていないことが多かったためにやはり困惑していたサービス事業者など、それぞれがそれぞれの立場で
苦労しましたが、始まったからには最善のサービスを提供できるようお互いに協力、連携していきますので、
どうぞ安心して相談して下さい。

 また、この4月には診療報酬の改定が行われました。点数そのものはあんまり変更がありませんでしたから、
皆様にお支払いいただく金額はそんなに変りはなかったと思います。しかし、今回の改定の最大のポイントは
病院診療所などの医療機関の機能分化をより鮮明にしてきた点です。
診療所はかかりつけ医として一般的な病気を治療し、病院は診療所からの紹介を受けて
より高度な検査や入院治療を行うという特色を明らかにし、より病診連携を進める形になっています。
当院では以前よりそのような考えに従って近隣の病院と病診連携を行い、適切な病院への紹介を行えるような体制を
整えております。また在宅医療を行っている方にはより充実した医療が提供できるように近隣の診療所と診診連携も
行っております。このように時代に即した形で最良の医療環境を整えるべく努力していますので、
疑問点がございましたら遠慮なくお尋ねください。

 皆様に対してより多くの情報を提供できるように、現在インターネットのホームページによる
情報発信も行っております。ご覧になったら、またご意見を聞かせて下さい。  
ホームページアドレス www.itakura-med.com
       
介護保険

  いよいよ4月1日より介護保険制度が始まりました。
現在日本では、介護が必要な高齢者が急速に増えています。また、介護をしている方の半数は60歳以上の方で、
【高齢者が高齢者を介護する】場合が増えています。さらに介護をしている方の85%は女性で、
身体的・精神的に大きな負担を負っています。
このため、介護疲れの状態がしばしば見られます。介護保険制度とはできるだけ家族の負担を軽くし、
介護の問題を社会全体で支え合う仕組みを創ろうというものです。
そこで、介護保険についてまだわからない事がある方も多いと思いますのでもう一度簡単にまとめてみました。
  介護保険制度が受けられるまで
 
 ここでは介護保険のサービスを受けるためにはどうすればよいかをまとめてみました。

 1.介護が必要で困っているということを市町村窓口に相談・申請します。

 2.専門の調査員が家庭を訪問し、介護が必要かどうか食事・歩行・入浴などの生活動作を調査します。

 3.かかりつけ医師に意見書を作成してもらいます。(医学的な管理等の必要性について)
   かかりつけ医師がいない場合、役所からお近くの医療機関を紹介してもらえます。

 4.介護認定審査会で訪問調査の結果とかかりつけ医師の意見書をもとに介護の必要な度合い
【要介護】を審査・判定します。
  *申請のあった日から30日以内に認定されます。

 5.要介護認定を受けた方は最寄りの指定居宅介護支援事業者に依頼し、本人の心身の状態や
   家族の希望に応じた介護サービス計画
【ケアプラン】を作成してもらいます。

 6.介護サービス計画
【ケアプラン】に基づいて必要なサービスが計画的に受けられます。
   こうして介護保険の申請をした方は次のような段階に分けられます。


 ・自立(非該当)・・介護が必要とは認められず介護保険の給付サービスは 受けられません。
              ただし一般福祉サービス等の利用が考えられます。

 ・要支援・・・・・支援がなければ近い将来に要介護となる状態

 ・要介護1・・・・生活の一部について部分的介護を要する状態

 ・要介護2・・・・中度の介護を要する状態

 ・要介護3・・・・重度の介護を要する状態

 ・要介護4・・・・最重度の介護を要する状態

 ・要介護5・・・・過酷な介護を要する状態

 
*要介護認定を受けた方(利用者)が各種介護サービスや訪問看護を受けた場合、費用の1割を負担します。
   (各種介護サービスを受けるためにケアプランをたてるとき、医師が居宅介護支援事業者に意見を言ったり
   ケアプランの内容をチェックするので医療機関にも費用の1割を負担します。)


 
*施設サービスと一部の在宅サービスでは、食事代の一部や日常生活費も利用者が負担します。

 *利用者の負担が著しく高額にならないように利用者の負担額には上限が設定されています。


 次回はどのようなサービスが受けられるのか具体的にお話しようと思います
心理室より  子どもシリーズ1 チック

 今回から子どもの気になる癖や症状についてシリーズでお届けします。第1回目はチックについてお話したいと思います。

  【チックって何?】
 チックとは、顔や体の筋肉の一部が、本人の意志とは無関係に突然・早く・反復的に動いてしまうものです。
症状としては次のようなものが見られます。いずれも、一時的な癖のようなものだと考えてください。

 ・目をパチパチさせる 手や足をピクピクと動かす
 ・鼻をクスンクスンと鳴らす 意味のない音や奇声を発する
 ・咳払いをする 汚い言葉、人の言葉のまねを繰り返す
 ・ゲップをする
 ・顔をしかめる
 ・口を曲げる
 ・肩をすくめる
 ・頭を振る 
 ・体を揺する

  【どんな子に症状が出やすいの?】
 年齢的には幼稚園から小学校の低学年くらい、男子に多く見られます。
本人の性格としては、落ち着きがない・わがまま・神経質・気が強いなどの特徴が見られることが多いようです。
また、アレルギー体質との関連も指摘されています。

  【チックの原因は?】
 正確な原因はまだ解明されていませんが、抑圧された気持ちが症状という形で表現されるものだと考えられています。

  【出てしまったらどうすればいいの?】
 無理に止めさせようとせず、そのことを話題にすることも避け、子どもに症状を意識させないようにしましょう。
症状そのものを無くすことを考える前に、どんな気持ちをしているのか考え、寛容な態度で受け入れてあげることが大切です。
多くは2〜3週間で消失しますが、長引いたり症状が強くなってくる場合は医師に相談することをおすすめします。
  高脂血症
 
 血液中に含まれる脂肪分が多いことをいいます。生活習慣病の一つでもあります。
脂肪分の種類はいくつかありますが、その中で特に注目されているのが、
【コレステロール】【トリグリセライド(中性脂肪)】です。
血液中のコレステロールが高い事を高い
【コレステロール血症】、中性脂肪が高いことを【高トリグリセライド血症】といいますが、
どちらも高脂血症と呼んでいます。
血液中のコレステロールには、血管内や細胞にある余分なコレステロールを排除する
善玉コレステロール(HDL-コレステロール)と、増えすぎると血管の中に貯まって
血液の流れを悪くする悪玉コレステロール(LDL-コレステロール)などがあります。
これらを合わせて
総コレステロール】といいます。
総コレステロールは130mg〜220mgまで、中性脂肪は30mg〜150mg
が基準値といわれています。これ以上の場合は高脂血症の疑いがあります。


  【血液中のコレステロールが増えすぎると】
 自覚症状がない為、気づかないうちに体の中で深刻な事が起こっているのです。
血液中のコレステロールが血管に貯まり血液の流れを悪くすることがあります。
これを【動脈硬化】といい、動脈硬化が心臓や脳など大切な臓器の血管でおこると、 
【狭心症や心筋梗塞・脳梗塞】など命にかかわったり、重い障害を残すような病気につながってしまうのです。

 
【高血圧や糖尿病】にかかっていると、この動脈硬化はさらに進行しやすくなります。
コレステロール値は生活習慣によって随分違ってきます。コレステロール値が高い人が増えてきた原因は、
食べ過ぎ・運動不足・飲みすぎなど、最近の生活習慣と大いに関係があるようです。
食事や運動等、普段の生活習慣を見直してみましょう。

  【高脂血症を調べるには】
 血液検査によってコレステロール値を調べることができます。気になる方は、年に一度
の成人健診も兼ねて、血液検査をしてみてはいかがでしょうか。